遺品整理の見積もり、その場で出せていますか——「持ち帰って後日」が失注を生む理由

遺品整理の現地調査に行って、間取りと物量を見て、「では見積書を作って、明日メールしますね」と言って帰る。丁寧な仕事に見えますが、実はこの瞬間に案件の何割かを失っています。私自身、買取・整理の現場を長くやってきて、これで随分悔しい思いをしました。
ご遺族は「比較」ではなく「安心」で決める
遺品整理の依頼主は、ほとんどの場合、初めてこのサービスを使います。相場も分からない。だから複数社に声をかけます。ここで大事なのは、ご遺族は最安値を探しているのではなく、「この人に任せて大丈夫だ」と思える理由を探している、ということです。
現地でその場で金額を提示できる業者と、「後日メールします」の業者。前者は質問にその場で答えられます。「仏壇はどうなりますか」「この箪笥は買い取れますか」——会話の中で不安が一つずつ消えていく。後者は、ご遺族が最も不安な時間帯(調査後の数日)を空白のまま渡してしまう。その間に、その場で決めてくれた他社と契約が済んでいます。
その場見積を阻む、たった2つの理由
「うちも現場で出したいが、できない」という同業の話を聞くと、理由はだいたい2つに絞られます。
1つは単価表が頭の中(または事務所のExcel)にしかないこと。間取り別の基本料金、階段・エレベーターの係数、オプション(供養・清掃・エアコン外し)の価格が現場で引けないと、計算に自信が持てず「持ち帰り」になります。
2つ目は買取相殺の計算がその場でできないこと。遺品整理と買取を両方やる場合、「作業費20万円、買取10万円、差引10万円」という見せ方は強力な武器です。ところが買取査定は品目ごとの積み上げなので、電卓と手書きでは時間がかかり、金額を間違えるのも怖い。結果、武器を持っているのに使えない。
段取りを変えると、営業が変わる
解決は難しい話ではありません。単価表を持ち歩ける形にして、現場で品目を入れたら合計が出るようにする。それだけです。紙のチェックリストでも一歩前進しますし、スマホで写真を撮りながら明細が積み上がる仕組みがあれば、調査の最後に見積書をその場でお渡しして、その場でご検討いただけます。
もう一つ、見積書と一緒に「作業後はこういう報告書をお渡しします」と過去の作業報告書(写真付き)を見せると、成約率は目に見えて変わります。ご遺族が本当に買っているのは、片付けではなく「ちゃんとやってくれたという証拠」だからです。
ワザグラは、遺品整理・買取の現場を自分でやってきた人間が作っている業務クラウドです。現場のスマホで見積・買取相殺・作業報告書まで完結します。