WAZAGURA
株式会社ワザグラ

2026.07 | 古物商の実務

警察の立入り、慌てない店と慌てる店の違い——古物商が普段からやっておく7つの備え

警察の立入り、慌てない店と慌てる店の違い——古物商が普段からやっておく7つの備え

古物商をやっていれば、いつかは経験する警察の立入り。やましいことがなくても、あの独特の緊張感は何度やっても慣れません。ただ、長くやっていると分かることがあります。慌てる店と慌てない店の違いは、真面目さではなく「普段のまま見せられるか」の一点だということです。

立入りで見られるのは、要するに「商売の記録」

立入検査の中心は、古物営業法で義務付けられた記録がきちんと残っているかの確認です。取引の台帳(いつ・誰から・何を・どう確認して買ったか)、本人確認の記録、そして許可証や標識の掲示。特別なものではなく、毎日の商売がそのまま記録になっているかを見られます。

だからこそ、検査の前日に台帳を「整える」店は苦しくなります。まとめて書いた字は分かりますし、記憶で埋めた行には必ず矛盾が出る。逆に、取引のたびに記録が終わっている店は、当日も普段のままです。

7つの備え

うちで実践している(あるいは痛い目を見て学んだ)備えを7つにまとめます。

  1. 台帳は当日中に締める。 「あとでまとめて」は、その日のうちに記憶が薄れる分だけ記載が曖昧になります。現場で入力が終わる仕組みなら、この問題は消えます
  2. 本人確認の記録と書類の控えが、取引とすぐ紐づく状態にする。 「この取引の本人確認は?」に、探さず答えられるか
  3. 品触れ(手配品の照会)に検索で答えられるようにする。 「この期間にこの品目を扱ったか」を紙台帳でめくるのは、それだけで半日仕事です
  4. スタッフが説明できるようにしておく。 立入りの日に社長が現場にいるとは限りません。台帳がどこにあり、どう記録しているかを、その場にいる人が言えること
  5. 許可証・標識(プレート)の掲示を定期点検する。 移転や模様替えで外したまま、が意外とあります
  6. ネット販売をしているなら、URLの届出を確認する。 サイトやアカウントを増やしたときの届出漏れは、悪気がなくても起きます
  7. 変更届の出し忘れを年1回棚卸しする。 役員・営業所・管理者の変更は届出事項です。会社の異動と突き合わせましょう

「記録が仕組みでできている」が最強の備え

7つ挙げましたが、突き詰めれば1つです。記録が人の頑張りではなく仕組みでできていること。

確定した記録が後から書き換えられない仕組みになっていれば、「整えた疑い」の説明に悩むこともありません。うちがシステムに改ざん防止(確定後は追記でしか直せない設計)を入れたのは、誰かを疑うためではなく、自分たちの記録の信用を守るためです。紙でもExcelでも、この思想は持ち込めます——訂正は二重線と追記で、上書きで消さない。それだけでも台帳の信用はまるで違います。

※ 本稿は実務者の経験に基づく一般的な整理です。検査の運用は地域・時期により異なります。個別の要件は所轄警察署(生活安全課)にご確認ください。

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