紹介のお礼、どんぶり勘定になっていませんか——精算を「透明」にすると紹介が増える話

遺品整理や買取の仕事は、広告よりも紹介で回っている会社が多いはずです。葬儀社さん、司法書士や税理士の先生、不動産会社さん——この紹介網をどう育てるかが、そのまま売上の安定を決めます。
そして紹介網の育ち方を決めるのが、意外にもお礼(紹介フィー)の精算の仕方です。
「気持ちだけ」のお礼は、続かない
紹介をもらったとき、商品券や手土産で「気持ち」を渡す方式は、最初はうまくいきます。ただ件数が増えると必ず息切れします。渡す側は基準がないので毎回悩み、もらう側は「今回はいくらだろう」と思いながら紹介することになる。基準のないお礼は、双方にとって小さなストレスの積み立てです。
うちは早い段階で「利益の◯%」と率を決めて、先方ごとに書面で合わせました。率を決めた瞬間、紹介する側の心理が変わります。「紹介すれば、決まった計算で、必ず精算される」——これは営業マンを雇うのに近い効果があります。
粗利を見せる勇気が、信頼をつくる
率を決めると次の問題が来ます。「その利益って、いくらなの?」です。
ここで多くの会社が濁します。そして濁した瞬間に、紹介元との関係は「お礼を渡す関係」から「金額を疑われる関係」に変わってしまう。
うちは思い切って粗利を開示する精算書を出す方式にしました。この案件の売上がいくらで、経費がいくらで、利益がいくら。だからお支払いはいくら。最初は「そこまで見せるのか」と言われましたが、数ヶ月もすると「おたくの精算書は分かりやすい」が口癖になり、紹介の質が変わりました。透明性は、紹介網における最強の営業ツールです。
支払いのタイミングは「売却確定後」に揃える
買取が絡む案件では、利益は品物を売却するまで確定しません。だから精算も「作業完了時」ではなく「売却確定後」に揃えるのが合理的です。ここを曖昧にすると、「あの件のお礼まだ?」という一番気まずい連絡を先方にさせることになります。
- 率と支払いタイミングを最初に書面で決める
- 売却が確定したら、粗利つきの精算書を発行する
- 支払ったら記録を残す(経費処理・源泉の要否などの税務は、顧問税理士に確認を)
この3点を仕組みにするだけです。うちはシステムで案件と紹介元を紐付けて、売却が確定すると精算書が自動でできるようにしました。手計算の頃は月末の憂鬱だった作業が、いまは「確認して送るだけ」です。
精算書は「次の紹介の営業資料」
最後にこれだけ。精算書は過去のお金の話ではなく、次の紹介をもらうための営業資料です。毎回きちんと届く精算書は、「この会社に紹介すればちゃんとしている」という証拠を、毎回先方の手元に残します。豪華なパンフレットより、正確な精算書。紹介網で生きる会社の、これが実感です。
※ 紹介料の税務処理(経費区分・源泉徴収の要否等)は取引の形態によります。顧問税理士にご確認ください。
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